私はレミオロメンの「3月9日」という曲が流れる度に、私は泣きそうになります…
両親は、私が10歳の時に事故死しました…
あの日は家族旅行に行っていました…
帰り道、高速道路を走っていると、大型トラックがスリップしてぶつかって来て、私達の車は中央分離帯にガリガリと押し付けられました…
私は気を失っていて、気が付くと病院でした…
目が覚めたのに、何故お父さんとお母さんに会えないのか分かりませんでした…
暫くして、目を真っ赤にした祖母が入って来た時、小さいながら全てを悟りました…会えない状況にあるのだと…
父と母は重症を負っていて、喋るのもやっとで、顔は原型を留めていませんでした…
そんな自分達に、私を会わせたくなかったのでしょう…
一週間ほど経ち、両親はほぼ同じ時刻に息を引き取りました…
私は最後まで、大人の事情で会うことが出来ませんでした…
お葬式には、沢山の人が居ました…
みんな揃って泣いていました…
私は終始泣きませんでした…いいえ、泣けなかった…
そんな私を見て、親戚の人達は私を「頭がおかしいんじゃないのか?」などと言いました…
空っぽな家に帰った時『ああ、一人なんだ』と実感しました…
その夜、祖母が私に二人の携帯電話を差し出してきました…
ボイスメモのアプリを開いて、私は一つの項目をタップして聴き始めました…
1時間くらい、何度も何度も聴きました…
紛れもなく両親の声でした…
かすれた声で絞り出すように吹き込まれていました…
「れい?、元気ですか?
お父さんもお母さんも、れいを置いて行く訳じゃないよ…
けど、居なくなっちゃってごめんね…
お父さんもお母さんも、れいが大好きです…
だから最後にれいをぎゅーってしたかったなぁ…
これからは、れいをぎゅーってしてあげる事が出来ません…
れいが泣いている時、慰めてあげることもね…
でもね、これだけは覚えておいて…
貴方は、私達の娘です…
貴方の笑った顔が大好きです…
だから、どんなに辛くても、笑ってね…
お母さん達は、ずっとずーっと大好きです…
私達の娘に産まれてきてくれて、ありがとね」
私は、泣きませんでした…
笑いました…
ありがとう!
そう叫びました…
その時に誤って Apple Musicを開いてしまいました…
すると勝手にレミオロメンの「3月9日」が流れ始めました…
「3月9日」は、事故の時も聴いていた、二人が大好きな曲です…
その曲を聞いた途端、とめどない涙が溢れてきました…
うずくまって声を上げて泣きました…
今でも泣きそうになるけど、私は強くなったよ…
ありがと…
これからも大好きです…