うちのおじいちゃんは戦争の話が嫌いでした。
うちがほたるの墓や、ビルマの竪琴を読んでいるのを見つけると・・・・。
悲しそうな顔でうちに、「知らない事が幸せなのに」と呟いていました。
去年の今ごろにおじいちゃんは亡くなったのですが、その1ヶ月ほど前に、1度だけ戦争の話をしてくれました。
おじいちゃんは、終戦の日まで、国に何も恩を返すことができなかったこと。
特攻隊として志願したが、上官に泣きながら殴られたこと。
戦争が終わったと知ったその日、戦友に切腹の介錯を頼んだが、当日その戦友が拳銃で自害したこと。
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血に染まった壁に、
「○○(おじいちゃんの名前)、お前が来たら追い返せるよう、先にゆく」
と書いてあったこと・・・。
めったに泣かないおじいちゃんが、チョコを食べながら聞いていたうちを見てぽろぽろ号泣して、
「そいつを少しでもあいつらにわけられたらな、上官に差し上げることができたらなぁ」と、蚊の鳴くような声で、何度も何度も繰り返していました。
おじいちゃんは優しい軍人さんだったのでしょうか。
今は上官に、戦友さんに、お菓子を振舞っているのでしょうか。
そうだったらいいなぁと思います。
でも本当に戦争はよくない。
悲しむ人が多すぎます。
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