わたしには父親がいない…
御母さんは未婚でわたしを産んだ…
御母さん、おじいちゃん、そして大好きなばあちゃんの三人暮らしだった…
公務員だったおじいちゃんに教育され、難関中学受験の為、医者になりたいという夢の為、
わたしは毎日毎日勉強ばかりしていた…
そんな時ばあちゃんの癌が発覚した…
手術をし摘出…
辛かっただろうが乗り越えた…
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そしてわたしの中学受験失敗…
滑り止めで受けた中学に入学した…
初めてイジメを経験した…
そして地元の中学に転校…
そこから何かが狂い、おきまりの不良コース…
家出し何日も家に帰らない日もあった…
だけど、どんなに遅く帰っても食卓のテーブルの上にはわたしの食事とばあちゃんからの手紙が置いてあった…
『〇〇ちゃん、食べてください…』
『今日はちゃんと眠ってね…』
ばあちゃんはいつでも優しかった…
御母さんやおじいちゃんと喧嘩して、御母さんと掴み合いをしても、必ず間に立って、全てわたしが悪いのに味方になってくれた…
ばあちゃんは毎日小さな健康ランドにいくのが日課だった…
ある日彼氏とバイクに乗って家の前の交差点を横切ろうとした時、信号待ちしているばあちゃんが立っていた…
健康ランドにいくんだなーとすぐにわかった…
信号待ちしているばあちゃんと目があった…
ばあちゃんは、あの大好きなニコニコ笑顔で手をふった…
わたしは無視した…
後ろを振り返ってみるととても悲しそうな顔をしていた…
月日は流れて、わたしは妊娠した…
ばあちゃんの癌再発も発覚した…
ばあちゃんはとても強くて優しい人だから死んだりしないと思っていた…
でもどんどん転移する癌…
でも、でもばあちゃんは絶対に死なないと思っていた…
強い人だから…
絶対に…
わたしが妊娠8か月に入った頃ばあちゃんが入院した…
毎日毎日病院に泊まった…
11月…
晴れた朝…
ばあちゃんは亡くなった…
静かに…
とても静かに…
赤ん坊の名前も考えるって言ったじゃん…
赤ん坊の洋服一緒に買いに行くって言ったじゃん…
まだまだやりたいこといっぱいあるって言ってたじゃん…
何も心配するなって言ったじゃん…
わたしはばあちゃんにもらってばかりで何一つ返せてないよ…
ごめんねも言えてないよ…
今からやっと恩返しできると思っていたのに…
本当にごめん…
本当にごめんね…
あの交差点で無視してごめんね…
わたしがヤンチャしてる頃、御母さんの姉にばあちゃんがあてた手紙には
こう書いてあったらしい…
『〇〇ちゃんはいい子だよ…今だけだよ…』
ばあちゃん!
わたしいい子なんかじゃなかったじゃん…
わたしをかばってばあちゃんが怒られるのに…
本当に本当に本当にごめん…
そしていつも味方してくれてありがとう…
ばあちゃん…
ばあちゃんが亡くなった翌年…
1月に小さな女の子が産まれたよ…
ばあちゃんに似た、笑顔がいっぱいの女の子…
ばあちゃんの名前もらったんだ…
その子は今年一年生になったよ…
ばあちゃんに似て、強くて優しい女の子に育ってるよ…
わたしはね、三人のお御母さんさんになったんだよ…
そしてね、今看護師目指して頑張ってるよ…
ばあちゃんに出来なかったことを少しでもお手伝いしたいんだ…
お御母さんさん、おじいちゃん、みんな元気だよ…
後悔しないように、みんなにありがとう、ごめんね、を伝えて生きているよ!
大好きなのに・・・ばあちゃん、あの時はごめんね…
そして大きな優しさをありがとう…
わたしもそんな人になれるように精一杯生きていくよ!
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おばあちゃんがくれたもの
おばあちゃんのスケッチブック