代わりのお母さん・・・。
私の母親は私が5歳の時に癌で亡くなった...
それから2年間お父さんと2歳年上の姉と3人暮らしをしていた...
私が小学1年生の時のある日曜日お父さんが私と姉に向かって
「今から2人に会って欲しい人がいるんだ」
と言って来たんだ...
それでお父さんが連れて来たのはお父さんより少し若いくらいの優しそうな顔の女性だった...
私は子供だったがお父さんがその女性と再婚するつもりなのが何となく解った...
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姉はその人と会ってすぐに楽しそうに話をして打ち解けていたが私は人見知りな性格だったので打ち解けることが出来なかった...
その人が帰った後3人で夕食を摂っている時にお父さんが
「お父さんさんあの人と結婚してもいいかな?」
と言った...
私は正直あまり良い気分ではなかったが姉も喜んでいたしお父さんの幸せのことを考えると何も言えず私も喜んでいる振りをした...
そして私の家族は四人家族になった...
と言うより四人家族に戻った...
私は相変わらず新しいお母さんに懐くことが出来なかった...
ある休みの日の前日の夜お父さんが
「明日はみんなで動物園に行こう」
と言った...
私は動物園なんて殆ど行ったことがなかったから本当に嬉しかった...
翌日の朝動物園に行けることが嬉しくていつもより早起きした...
そしたらお父さんがリビングの薬入れを漁っていたのでどうしたのか聞くと姉が熱を出したらしい...
そこでお父さんは家に残って姉の看病をすることになり私とお母さんの2人で動物園に行くことになった...
動物園に着いてからも何となく気まずい雰囲気で言葉数も少なく心から楽しむことが出来ないでいた...
昼になりベンチでお母さんの作って来た弁当を食べることになった...
私はおにぎりを一つ手に取って口に運んだ...
そしたら何か本当の母さんが元気だった頃家族でピクニックに行った時に母さんがお弁当に作ってくれたおにぎりを食べたことを思い出した...
水気を吸ってやわらかくなった海苔ほどよい塩味…...
懐かしい気持ちと共に本当のお母さんを思い出し涙がボロボロ出て来た...
母が戸惑っていたので泣くのをやめようと思っても涙が止まらなかった...
私はその時初めてその人に母親を感じた...
それから母さんと動物園を周りながら今まで話せなかった色々なことを話した...
本当に楽しかったし嬉しかった...
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お母さんの最初で最後のFAX話
家族がお母さんのビデオテープで・・・