時間が止まっているあいつ。俺たちは、あの日のことは、今でも良く憶えているんだ…
俺は大阪に帰る友達を、他の友達と3人で羽田まで見送りに行ったんだ…
家族の都合で大阪へ越して行った友達だった…
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空港で別れ際、あいつが言った…
「今度はお前らが遊びに来いよ!」
「おう!いいね!」
「甲子園に野球見にいこうぜ!」
「いく!いく!」
「じゃあ、またな~」
確かこんな会話を交わしたと思う…
しかも・・・。
それが最後だった…
その日の夜、ちょうど今くらいの時間だ…
あいつのお母さんから電話が来んだた…
「あの子は本当に飛行機に乗ったの????!」
叫ぶように俺に訊いた…
俺はただ「はい」としか言えなかった…
そしてテレビであいつの名前を見た…
なんだか訳が分からなくて、涙も出なかった…
悲しいのか、悔しいのかも分からなかった…
翌年、俺達はあいつとの約束を守った…
あの日出発ロビーで別れた時と同じ顔をして、遺影の中で笑うあいつを見て、
始めて涙が出た…バカみたいに声を上げて泣いた…
俺も他のツレも、あいつのお父さんもお母さんも、皆で泣いたさ…
もう、みんな、すっかりオヤジになっちまったけど、
あいつだけはあの日のままだ..
何年か、数十年かわからないけどさあっちの世界でまたみんなでどんちゃん騒ぎしような!
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友達にそんな話ができないことに気がついたら余計悲しくなった
大切な友達