我が家は母子家庭だった...
そんなごく普通の貧乏家族だったんです。
私のお母さんは地元のスーパーのパートさんで1人私を育ててくれてた...
おお父さんが何してた人だったかは知らないけど会った記憶もない気が付いたら古い小さな集合住宅の一室でお母さんと2人暮らしてたんだ...
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私は重度の小児喘息の持ち主で毎晩寝入りばなと夜明けの体温と空気の温度差が激しくなる頃に発作が出て吸入器を加えさせられおさまるまでお母さんが背中をさすってくれていた覚えがある...
時々泡を吹いて息が出来なくなってでもお母さんがそんな私を抱えて救急病院までタクシーで行ったこともあったんだ...
とあるまだ小学校に上がる頃の日自分の激しい咳で目が覚めてお母さんが部屋の電気つけて私はあまりの息苦しさと咳の激しさで意識が飛んだ...
それからしばらくしてある日家族で隣の市の有名な祭りを見に行こうという話になった...私と両親それに4歳になったばかりのイタズラな妹と4人で車に乗り込んだ...
土曜の午後をお祭りを見て楽しみ日も落ちたので帰ろうとなった...高速に乗る前に何か夜食べるものを買って帰ろうと高速入り口近くのスーパーに車を止めた...
妹がうきゃーと店内に向けて走り出したので両親はおいおいと追いかけた...
私はもう小学生だったので自分の食べるものを選ぼうと惣菜コーナーへ行ってみた...すると三角巾をつけたおばさんが値札のシールを張り替えてる...
私は何気にその横顔を見てはっと気付いた...…お母さん…?白髪交じりの疲れたおばさんがこっちを見たんだ...
お母さん…?自分の状況を理解出来ず声を出せないでいるとおばさんは大丈夫?と言う顔で笑ったんです...
お母さん?私だよ名前なんだったっけ、あなたの息子です...背中をよくさすってもらってた...
でもこれどう言おう、なんて言えば伝わるんだろう?分からないままあうあうとしてた...
おばさんはどうしたの僕、迷子、おばさんはしゃがみ目線を合わせ聞いてきた...懐かしい顔が目の前にあった何年も会いたかったお母さんの顔が...
子供心にいいんだ今の世界がどう混乱してもお母さんにお礼を言いたい背中さすってもらいたいただお母さんありがとうと言いたいと覚悟を決めて呼びかけようとした時に不意に後ろから抱きつかれた...
「お兄ちゃん~いた~」
驚いて振り向くと妹が無邪気な笑みで笑いかけてきた...
その後を両親がきて
「食うもん何か選んだか?」
とお父さんが聞いてきた...お母さんは
「あら見つかった???良かったね・・・」
と笑い立ち上がり両親に会釈をすると奥へ消えて言った...
お母さんが頭をくしゃっと触りお菓子も買っとこうかと言った...私はお母さんの消えた方を見送りながら「うんそうだね」と答えた...
これ全て実話なんですです...前世ってあるんだなと思った出来事でした...その人とはそれきり会ってません...
高校生になった頃にスーパーへ行ってみましたが潰れてなくなってました...
本当に不思議な体験をしました・・・。
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家族がお母さんのビデオテープで・・・
家族の絆