私は中学生の頃、学校でイジメに遭っていた...
教室に入る勇気が無くいつも保険室に通っていた...
イジメの事は家族にも言っていない...
ただ私の我儘で保険室に通っているだけ...
そんな風に教師や両親は思っていたんだ...
イジメは段々とエスカレートしまた陰湿だったんだ…...
でも周りに心配を掛けたくなくていつも無理して笑っていたんだ...
辛くて孤独でどうしようもなくて死んでしまおうと決心した日の事…...
高校生のお兄ちゃんが修学旅行から帰って来て私にお土産をくれた...
どこかのドライブインに売っているような、キーホルダーのオルゴール...
長崎に行って来たはずなのに...
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幼い頃からいつもお兄ちゃんと一緒に居たが、お兄ちゃんにはいつもイジメられた記憶しかない...
だから長崎のお土産を私にだけくれないのだろうんだ…...
そう思うと何だか学校でのイジメと重なり、私はそのお土産を
「こんなのいらない!!」
と投げつけてしまった…...
すると、その衝撃でオルゴールが鳴ったんだ...
曲名は知らないけど、
『涙など見せない強気なアナタをこんなに悲しませてるのは誰なの?』
という歌詞の曲が…...
お兄ちゃんは何も言わずにそのお土産を拾おうとしゃがんだ...お兄ちゃんは泣いていたんだ...
初めてお兄ちゃんが泣いているのを見て呆然としていると、お兄ちゃんがポソリと言ったんだ...
「お前をイジメて良いのは、お兄ちゃんの俺だけだ...
それ以外のヤツがお前をイジメるのは許せない...
俺は知ってるから...お前が家で我慢して笑ってる事...
小さい頃からいつも俺の前で泣いてたんだから、我慢なんかしなくて良いんだぞ...
俺はお前をイジメてばかりのお兄ちゃんだけど、他人に妹をイジメられて黙っていられるお兄ちゃんじゃないからな」
その言葉を聞いて、私は号泣したよ...
学校のイジメの事を全て吐き出しました...
泣き過ぎて喘息で咳き込みながら、全部…...
お兄ちゃんは横に座って聞いてくれていました...
全部話し終わると、
「よく頑張った」
と言って頭をポンポンと撫で、
「今日は寝ろ...明日は学校に行かなくて良い」
と言って部屋から出て行きました...
それから少し経つと、一階で母親とお兄ちゃんが会話している声が聞こえてきました...
翌日から暫く学校を休み、再び登校すると、イジメは無くなっていました...
教師に聞くと、お兄ちゃんが中学校の教員室にブチ切れながら乗り込み、イジメの事を伝えたようでした...
高校の生徒会長が乗り込んで来たため、教師も慌ててイジメに対して動き始めました...
その結果、私を含め多人数がイジメの被害に遭っていた事も判明しました...
その何年か後、私は現在の旦那と知り合いました...
結婚式を挙げた時、お兄ちゃんは
「小さい頃から、俺は妹をイジメて泣かして来た...
でも、妹をイジメるヤツは俺は許さない...
どうかこれからは、俺の代わりに守ってやってくれ」
と旦那に告げました…...
今日はお兄ちゃんの結婚式だよ...
お返しに今日は私がお兄ちゃんを泣かすから...
本当ありがとう・・・。
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