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熟年夫婦の離婚の悲しい話とその後

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熟年夫婦の離婚の悲しい話です。私は仕事から帰宅すると、嫁は食事の支度をととのえていた...
私は彼女の手をにぎり「話があるんだ」と切り出した...
嫁は何も言わず席についた...その目は苦痛に満ちていた(/□≦、)エーン!!...

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ふと、私はどう切り出したらいいのか分からなくなった...
でも言わなければならない...「離婚したいんだ」と...
私は冷静に、その言葉を口にした...
嫁は大したリアクションも見せず、ただ静かに聞き返した...「どうして?」

その問いに敢えて答えないでいたら、嫁はとうとう怒りをあらわにした...
彼女は箸を投げ散らかし叫んだ...「あんたなんか、男じゃない!!」

その夜、その口論のあと(/□≦、)エーン!!
私らはとうとう一言も言葉を交わさなかった...
嫁のすすり泣く声がかすかに聞こえた...
わかっている...どうして私らがこうなってしまったのか、嫁はその理由を知りたがっているのだ...
でも私は、彼女を納得させられるような説明をとうてい与えられるはずはなかった...
それもそのはず...私は「マスミ」という他の女性を愛してしまったのだ...
嫁のことは、、、もう愛していなかった...
ただ哀れんでいただけだったのだ!

深い罪悪難に苛まれながら、私は離婚の「承諾書」を書き上げた...
その中には、家は嫁に譲ること、車も嫁に譲ること、私の会社の30%の株も譲渡することを記した...
彼女はそれをチラと見ただけで、ビリビリと破り捨てた...
私がこの10年という月日を共に過ごした、この女は
私にとってもはや「見知らぬだれか」に成り下がっていた...
彼女が今まで私のために浪費した、時間、労力、エネルギーに対しては、、、本当に申し訳ないと思っている...
でも
自分が「マスミ」を愛しているという気持ちに、これ以上目を背けることは出来なかった...

承諾書を破り捨てたあと、嫁はとうとう大声をあげて泣き始めた...
ヘンな言い方だが、私はその彼女の泣く姿を見て少しホッとしたのだ...
これで離婚は確定だ...
この数週間、呪いのように頭の中につきまとっていた「離婚」という二文字は、
これでとうとう現実化したのだ...

その翌日、私は仕事からかなり遅くに帰宅した...
家に戻ると、嫁はテーブルに向かって何かを一生懸命に書いていた...
夕食はまだだったが食欲など到底なく、私はただベッドに崩れるように倒れ込み寝入ってしまった...
深夜に一度目が覚めたが、その時も嫁はまだテーブルで何かを書いているようだった...
私はもはや大した興味もなく、ふたたび眠りについた...

朝になって、嫁は私に「離婚の条件」とつきつけてきた...
彼女は家も車も株も、何も欲しくないと言った...
でもその代わりに「1ヶ月間の準備期間」が欲しいと言ってきた...
そして彼女の条件は、その1ヶ月のあいだ出来るだけ「今までどおり」の生活をすること...
その理由は明確だった...
私らの息子が、1ヶ月後にとても大切な試験を控えているため
できるだけ彼を動揺させたくないというのが、彼女の言い分だった...

それに関しては、私は即座に納得した...
だが、それ以外にもうひとつ嫁は条件をつけてきた...
「私たちが結婚した日、あなたが私を抱き上げて寝室に入った日のことを思い出してほしい」と...
そして、これからの一ヶ月のあいだ、あの時と同じようにして
毎朝、彼女が仕事へ行くときに
彼女を腕に抱き上げて 寝室から玄関口まで運んでほしいと言うのだ...

私は「とうとうおかしくなったな・・・」と思った...
でもこれ以上嫁といざこざを起こしたくなかった私は、黙って彼女の条件を受け入れた(:_;)...

私は「マスミ」にこのことを話した...
マスミはお腹を抱えて笑い、「ばかじゃないの」と言った...
今さら何をどうジタバタしたって離婚はまぬがれないのにと
マスミは嘲るように笑った...

私が「離婚」を切り出して以来
私ら夫婦はまったくスキンシップをとっていなかった...
なので
彼女を抱き上げて玄関口まで連れていった1日目
私らは2人ともなんともヘンな感じで、ぎこちなかった...

それでもそんな私らの後ろを、息子はそれは嬉しそうに手をパチパチ叩いてついてきた...
「ダディーがマミーを抱っこして『いってらっしゃい』するよ!」
その言葉を聞くなり、私の胸はきりきりと痛んだ...
寝室からリビングへ、そして玄関口へと
私は嫁を腕に抱いたまま10メートルは歩いただろうか...
嫁は目を閉じたまま、そっと「どうかあの子には離婚のことは言わないで」と耳元でささやいた...
私は黙ってうなずいた...でもなぜか、そうしながら
心はひどく動揺していた...

嫁をドアの外に静かにおろすと、彼女はそのままいつものバス停へ向かって歩いていった...
私もいつもどおり車に乗り込み仕事へ向かった...

2日目の朝
初日よりは少しは慣れた感があった...
抱き上げられながら、嫁は私の胸に自然ともたれかかっていた...
私はふと、彼女のブラウスから薫るほのかな香りに気づいた...
そして思った...
こうして彼女をこんな近くできちんと見たのは、最後いつだっただろうかと.........

嫁がもはや若かりし頃の嫁ではないことに、私は今さらながら驚愕していた...
その顔には細かなシワが刻まれ
髪の毛には、なんと白いものが入り交じっている!
結婚してからの年数が、これだけの変化を彼女に.........
その一瞬、私は自問した...「私は彼女に何てことをしてしまったのだろう」と...

4日目の朝
彼女を抱き上げたとき、ふと
かつて私らの間にあった、あの愛情に満ちた「つながり感」が戻ってくるのを感じた...
この人は
この女性は
私に10年という年月を捧げてくれた人だった...

5日目、そして6日目の朝
その感覚はさらに強くなった...
このことを、私は「マスミ」には言わなかった...

日にちが経つにつれ
嫁を抱き上げることが日に日にラクになってゆくのを感じた...
なにせ毎朝していることなので、腕の筋力もそりゃ強くなるだろうと
私は単純にそう考えていた...

ある朝、嫁はその日着てゆく服を選んでいた...
鏡のまえで何着も何着も試着して
それでも体にピッタリくる一着が、なかなか見つからないようだった...
そして彼女は「はあ~っ」とため息をついた...
「どれもこれも、何だか大きくなっちゃって.........」

その言葉を耳にして、私はてハッ!とした...嫁はいつの間にやせ細っていたのだ!
嫁を抱き上げやすくなったのは、私の腕力がついたからではなく
彼女が今まで以上に軽くなっていたからだったのだ!

愕然とした...
それほどまで、やせ細ってしまうまで(:_;)
彼女は痛みと苦痛を胸のなかに.........

私は思わず手を伸ばして、嫁の髪に触れていた...

そこに息子がやってきた...
「ダディー、マミーを抱っこして『いってらっしゃい』する時間だよ!」

息子には、父親が母親を毎朝抱き上げるこの光景を目にすることが
すでに大切な日常の一場面となっているようだった...

嫁は、そんな息子にむかって「おいで」と優しく手招きしたかと思うと
彼を力いっぱいぎゅっと抱きしめた...
私は思わず目をそらした...
そうしないと、最後の最後で、気が変わってしまいそうだったからだ!

私はだまって、いつものように嫁を腕に抱き上げ
寝室から、リビング、そして玄関口へと
彼女を運んだ...
嫁はただそっと、私の首に腕を回していた...
そんな彼女を、気づいたら強くグッと抱きしめていた...
そうまるで、結婚したあの日の私のように.........

彼女の、それはそれは軽くなった体を腕のなかに感じながら
私は例えようのない悲しみを覚えていた...
そして最後の朝、

嫁を抱き上げたとき
私は、一歩たりとも歩みを進めることができなかった...
その日息子はすでに学校へ行ってしまっていた(:_;)...

私は嫁をしっかりと腕に抱き、そして言った...
「今まで気づかなかったよ...私たちの結婚生活に、こうしてお互いのぬくもりを感じる時間がどれほど欠けていたか・・・」

そして私はいつもどおり仕事へ向かった...
何かにせき立てられるように、とにかくここで、最後の最後で
自分の決心が揺らいでしまうのが怖くて(:_;)
それを振り切るかのように、車を停めると鍵もかけずに飛び出し
オフィスのある上の階まで駆け上がっていった...
気が変わってしまう前に、オフィスへ行かなければ...早く「マスミ」のもとへ!

ドアを開けるとそこに「マスミ」がいた...
彼女を見た瞬間、
私は思わず口にしていた...

「マスミ、すまない... 私は離婚はできない...」マスミ」は「はあ?」という目で私を見つめ
そして額に手をあてた...「あなた、熱でもあるの?」

私はマスミの手を額からはずし、再度言った...
「すまない、マスミ...私は離婚はできないんだ...」

「嫁との結婚生活が『退屈』に感じられたのは、彼女を愛していなかったからではなく
私が毎日の小さな幸せを、他愛のない、だけどかけがえのない小さな日常を
大切にしてこなかったからなんだ...
今頃になって気づいたよ...あの日、あの結婚した日
私が彼女を腕に抱いて家の中へ初めての一歩を踏み入れたあの日のように
私は死が二人を分つまで、彼女をしっかり腕に抱いているべきだったんだ!」

「マスミ」はようやく事の次第を理解したようだった...
そして私のほっぺたを思いっきりひっぱたくと、扉をバタン!と閉め
ワーッ!と泣き叫びながら飛び出して行った...

私はそのまま黙って階下に降りた...
見ると、花屋が目にとまった...
私はそこで、嫁のためのブーケをアレンジしてもらった...
店員が「カードには何とお書きになりますか?」と聞いてきた...
私はふと微笑んで、言った...
「そうだね、こう書いてくれ...」

『毎朝君を腕に抱いて見送るよ...死が二人を分つ、その日まで...』
その日の夕方、私は
嫁への花束を抱え、顔に笑顔をたたえて
家についた...

はやる気持ちで階段を駆け上がる(ノ_ё)ウゥ・・・ゥ・・・ゥ・・・!
早く早く!嫁のもとへ!

出迎えてくれた嫁は

ベッドで冷たくなっていた............

何も知らなかった...
私は、何も知らなかったのだ...

嫁が「癌」であったことさえも(ノ_ё)ウゥ・・・ゥ・・・ゥ・・・...

マスミとの情事にうつつをぬかしていた私は、
嫁が
この数ヶ月必死で病魔と戦っていたことに
気付きさえしなかったのだ!

嫁は分かっていたのだ...自分がもうじき死ぬことを...
彼女が出してきた「離婚の条件」は
私を責めるものではなく、私を救うためのものだったのだ!
自分亡き後、最愛の息子から
私が責められることがないように...

毎朝母さんを抱き上げて優しく見送る父さん...
そう、そういう私を毎朝見ていた息子にとって
私はまぎれもなく
「母さんに離婚をつきつけた父さん」ではなく
「母さんを最後まで愛した父さん」となったのだ(/ヘ ̄、)グスン!

はどうしても皆さんにお伝えしたかった...
日々のささやかな幸せ、、、それが人生で何よりも大切であるということを...
幸せは
大きな家、土地、高価な車、または銀行の残高、、、
そんなものの中にあるのではないということを...

もしも今、あなたの傍らにかけがえのない伴侶がいるのなら
毎日がどんなに忙しくても
どうか、相手が大切だと伝える小さなジェスチャーを
心を通わせる時間を

大切にしていっていただきたいと思います(/ヘ ̄、)グスン

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本当に泣ける話を集めてみました・・・。


父と母は離婚した
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