親父が糞だったからいつもひもじい思いをしていた。
一日の食事で一番豪華なのが給食で、給食で残ったパンをほぼ毎日貰って帰っていた。
持ち帰ったパンは翌日お袋がパートに持って行って昼飯にしてた。
月末で金がなくなってくるとそのパンが晩飯になったりもした。
煮込んで牛乳を入れて少し砂糖で味付けがしてあって旨くもなんともないんだけど、金がないのが子供心にもわかっていたからお母さん美味しいよ、って言いながら食べてた。
夏休みや冬休みは給食がないから早く学校はじまれって思ってたよ。
スポンサーリンク
お袋が焼き立てパンの店でパンの耳を買ってきてそれを油で揚げてのばかり食べてた。
砂糖をかけて食べるよりも塩をかけて食べるほうが食べやすかったな。
新聞にパン粥のことが載っていたからお袋に昔よく食べたよな、って言ったら。
ごめんね、おまえ美味しい美味しいって言って食べてくれてたけど、あんなの美味しいはずなかったよねえ、と泣かれた。
おふくろ、俺そんなつもりで言ったんじゃないよ
スポンサーリンク