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兄貴、本当にありがとう

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兄貴、本当にありがとう・・・・。

今日は兄貴のお通夜です。先日兄貴はガンで亡くなりました。

兄貴は40歳の若さでこの世を去りました。

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私の家は、母子家庭だったんです。初めて野球を教えてくれたのは、親父でなく兄貴でした。

新聞配達をして貯めたお金で、私が小学4年のときグローブを買ってくれたんです。

安いトンボ目のグローブでした。
中学生のくせに、小学生相手に「剛速球」を投げ、取れないと怒鳴る兄貴でした。

「カーブ!」と一声。私に投げられたボールは、手前で私の視界から消えました。
私の中では、江夏、堀内を凌ぐピッチャーでした。近くの公園で日が暮れるまで、キャッチボールをしました。

本当にいい思い出でです・・・。

「兄ちゃんが、お前の親父代わりだから、兄ちゃんがお前を大学に行かせてやる!」少しばかり成績の良かった私に、高校を卒業した兄はそう言いました。貧しかった我が家の家計を考えてのことだったと思います。

兄貴のおかげで大学を出させてもらいました。本当に感謝するべきことなのです。
しかし大学卒業後に家を出た私は、兄の恩を忘れていたのでしょうか。

私は上場会社で課長になり、兄貴は自営業とはいえ、従業員は兄の妻を含め3名の零細企業です。いつのまにか、兄を見下していた気がします。本当に最悪な私です・・・。

何様なんだよ、お前は・・・・・ただ自分を自分で罵ることしか出来ません。

「カーブ!」
兄貴・・・。もう1度でいいから、カーブを投げて欲しいです。
私は、あなたの弟に生まれて本当に良かった。今まで短い人生だったと思いますが本当にありがとうございました。

こんな弟でしたがありがとうございます。

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