でも、今日私を助けてくれた事には変わりない

俺は、どうしようもないヤツで

警察ともめたりとか、喧嘩とか、あほみたいな事ばかりしてた不良ってやつだった

そんなある日、あまりに暇だったから学校を無断で抜け出し

駅前までバスで遊びに行ったんだ

駅前に着いて、一服しようとタバコ取り出そうとしたら

何か、フラフラもたついてるじいさんが目に付いた。

俺は「うざってーなぁ、道わかんねーな来るなよ」

とか思ってた。

そのじいさんはただ、その辺をうろつくだけで、誰にも助けをもらうわけでもなく

誰も、助けようとするわけでもなくて

見てて居た堪れなくなり、声をかけた。

「どこ行くんだ?見ててイライラするから行きたいトコ連れてってやるよ。」

かなり不器用。こういうの慣れてなかったから

じいさんは

「ありがとう。私は目が見えなくてね。家族とはぐれて困ってたんだ。」

と言ってきた

マジかよ。めんどくせー

とか思ってたんだけど、駅に連れてけば大丈夫かなって思い

連れてくことにした。

俺はじいさんの手を掴み、駅に向かっていった

そんな俺らを周りは、不思議そうに見てた

俺は黙って歩いていた
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じいさんは、俺に話しかけてくる

年はいくつだ、学校には行ってるのか。そんな感じのことを聞かれた

適当に話してたんだが、じいさんおもろくて気付いたら、もう駅に着いてた

俺は家族と会えるように駅員にアナウンスしてもらったり

じいさん連れて家族を探してた。そしたら、運よく家族と再会できた。

もう用無しかなって思い、俺は帰ろうとした時にじいさんがこう言った

「本当にありがとう、最近の子でも君みたいに優しい子もいるんだねぇ…本当に助かりました。ありがとう」

って。

俺は否定した。

ついでに俺のしてきたあほな事も全部言ってやった。

でもじいさんは、笑いながら

「元気だなぁ。でも、今日私を助けてくれた事には変わりない、優しい子だよ。親も自慢できるだろね。」

って言ってきた

なんて言っていいか分からなくて

「ありがと。でも自慢はできねぇだろwじいさん元気でやれよ」

とだけ言って俺もそのまま帰っていった

ずっと、お辞儀しててくれたっけな…

すごく嬉しくて俺、少し泣いてたな。
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