おばあちゃんの温もり・・・。
私は小さい頃から寂しかったり悲しかったり困ったりすると何だか良い香りに包まれるような気がしていた...
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場所や季節が違っても大勢の中に居る時も1人きりで居る時もいつも同じ香りだから花や香水などではないことは確かだったんだ...
私が20歳になった時お母さんの実家が改築される事になったんだ...
お母さんの実家の庭には小さな蔵がありお盆のお墓参りで寄った時におばあちゃんから
「もう殆ど整理したから何も大した物は残っていないけど何か良いものがあれば自由に持って行って良いよ」
と言われ久しぶりに蔵に入ったんだ...
中に入るとお母さんがお嫁に来た時に持参した長持ちがまだあってよく従兄たちと隠れんぼをして中に入り込んでいた事を思い出した...
懐かしく思い出しながらその長持ちを開けた...
あの頃はまだ洋服などが詰まっていた長持ちの中も既に整理されたのかもう空だった...
長持ちは4つあって一番奥に桐のかなり立派なものがあり小さい頃その長持ちだけは触ってはいけないと言われていた事を思い出した...
流石に今は良いだろうとその長持ちを開けた途端私は良い香りに包まれた...
おばあちゃんとお母さんに聞くとその長持ちは私が3歳の時に亡くなった私のお母さんに当たる人が嫁入り道具に持って来た長持ちでその中には良い香りのお香を焚き込んだ着物が沢山入れられていたという事だったんだ...
お母さんにとって孫は男の子ばかりだったので私が生まれた時に
「この着物は大きくなったこの子にあげよう」
と嬉しそうにお母さんやおばあちゃんに話していたとその時初めて聞いた...
おばあちゃんだったんだね...
本当にありがとう・・・。
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おばあちゃんがくれたもの
おばあちゃんのスケッチブック