おれの近所に幼なじみの女がいるんだが、そいつとは本当に仲がよかった。
小学生の頃の話にはなるが親父の左手の薬指につけてた指輪が気になって、親父に「なんでずっとつけてるの?」って聞いたんだ。
そしたら「これはな、母ちゃんとの約束の指輪だよ」
「これをつけてれば離れてても一緒なんだよ」
って笑顔で言ったんだよ。
それで俺はその幼なじみと結婚したかったからずっと貯金箱に貯めてた小遣いをもって商店街のアクセサリーショップみたいなところに行って「一番いい指輪ください!」って店員に言ったのよ!
そしたら店員のお姉さんが「お母さんにあげるの?」って聞かれたから「お嫁さんの!」って言ったらお姉さんが「じゃあちょっと待っててね」って指輪探し始めた。
で、お姉さんが綺麗にラッピングしてくれた指輪持ってきて俺はありったけの小銭をお姉さんに渡した。
お姉さんは笑って「頑張って」って俺を見送ってくれたんだ。
俺はその幼なじみに親父から聞いたことをそのまま言いながら幼なじみに指輪を渡した。
幼なじみはびっくりしたような顔しながら頬にチューしてくれたんだよ。
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それから時がたって幼なじみは小学校卒業と同時に親の都合で転校してしまった。
俺は地元の中学に行ったんだが別れが寂しくてさよならって言えなかったのがずっと引っ掛かってた。それから更に時が進んで、高校に入学したころ。
高校には可愛い子がいっぱいいて好きな子もできた。
もう高校が楽しくて幼なじみのことはわすれてた。
でも高校2年の春休みに幼なじみの母ちゃんから電話が来て、今幼なじみが入院してるって言うのよ。
俺はなんか今更ながら心配で見舞いに行った。
見舞いに行くと、個室のベットで幼なじみが寝てる。
病院の配慮で窓から桜が見える部屋だった。
ベットで寝てる幼なじみはものすごく綺麗でなんかドキドキした。
で、なんの病気かわからなかったけど左手を握った。
そしたら薬指に違和感感じて見たら俺があげた指輪がついてた。
なんでかわからないけど涙が止まらなかった。
幼なじみは起きて、俺の泣き顔を笑顔で見てた。
極めつけは笑顔で「指輪つけてたからずっと一緒だったよ?」って言うのよ・・・。
もう涙が止まらなくて、ずっと病室で頭撫でてもらいながら泣いたよ。
幼なじみの母ちゃんが言うにはずっと指輪はずさずにつけてたらしい。バカだよなぁ、血止まっちゃうよ・・・。
だから今度新しい婚約指輪買いに行ってくる。まだまだ人生はこれからだ!俺と一緒に新しい未来を作ろうぜ!
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