会社で突然の悲しい出来事が起こりました。
わたしの隣に座っている同僚の男子が突然死してしまったんです。
突然すぎて声も出ませんでした。
金曜日にお酒を飲み電車で気分が悪くなって途中下車して駅のベンチで座ったまま亡くなってしまった。享年54歳。
でもみんな解っていたんです。
この同僚は仕事のし過ぎで亡くなったのだと。
わたしはその時祖母の納骨で地方に居たんです。
お通夜には出られなかったがその日のうちに東京へ戻り翌日は休みの予定だったが会社に行ったんです。
わたしは上司に言われ花を買いに行った。
「社員の人が亡くなったので机に飾るお花にしてください」
そんなわたしは花屋で泣いた。
こんなことは初めてだった。
綺麗だがとても香りの強い花で今でもわたしはその香りを嗅ぐと涙が出るくらい。
しかも亡くなった時に持っていたカバンには家で仕事をするための膨大な資料会社のPCにはやりかけの仕事が山のように入っていた。
取り敢えずわたしを含めた3人で割ったがそれでも追いつかない。
仕事の中にはとても単純だけど時間のかかる作業などが沢山あったんです。
何度か言ったことはあるんだけど。
「やることあったら言ってくださいね」
その人は穏やかに笑って
「じゃあ考えておくね」
いつもこの繰り返し。
膨大なデータを集計しながらまた涙しました。
何でもっと強く言って仕事をぶん取らなかったのだろうかと・・・。
わたしがこうした単純作業だけでも引き受けていたらこの人は死なずに済んだのではないだろうかと後悔ばかりです。
そんな気持ちが言えずに・・・。
そんな中その人の家族が荷物を引き取りに来た・・・。
小柄で華奢な奥さんと真面目そうな女子大生。
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1人1人に丁寧に挨拶。
わたしの番になった。
奥さんわたしの名札を見て小さく笑う。
「何度か主人から聞いていました。職場にとても真面目で優秀な女性がいていつも
「仕事ないですか?何でも言ってくださいね」
と言ってくれるんだって。あなたのことですね・・・。
主人はとても感謝していましたよ」
会社だし他の部の人も居るしとかそんなこと関係なく泣き崩れた。
ありがとう。
わたしのことをそんな風に思ってくれてありがとうって思った・・・。
季節は早いものでもう来月は三回忌。
わたしはその時以来部員の仕事量も観察して一人の負担にならないように自分に出来る仕事はぶん取ったりすることもある。
この間亡くなった同僚の仕事を引き継いだ同僚から言われたんです。
「もしあなたが居なかったら俺は仕事に追い詰められて死んでたかもしれない。
笑い話じゃなく本当に。
だからありがとう」
その言葉でやっと救われたと思った。
本当にありがとうございました・・・・。
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死ぬまで忘れる事は無い暗証番号
もしぼくが死んだら