泣ける話|公園での約束と女の子との別れ

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病院の少女との出会い|泣きたいほどの悲しみ

ある日のこと、人気芸人の江頭さんは、いつものように公園でロケを行っていました。公園の隣には病院があり、その日は病院から来た車椅子に座った一人の女の子が、彼の様子をじっと見つめていました。周囲は笑い声であふれかえっているにもかかわらず、その少女の顔には笑みが浮かぶことはなく、ただ冷ややかに彼のネタを眺めていました。

ロケが終わり、江頭さんが片付けをしていると、少女はぽつりと「つまらねーの」とつぶやきました。その言葉に驚いた江頭さんが「何て言った?」と聞き返すと、少女は「だって全然面白くないんだもん」と、淡々とした口調で答えました。

その一言に、江頭さんは一瞬言葉を失いましたが、すぐに笑顔を作り「なら、お前が笑うまで毎日ここでネタを見せてやろうか」と冗談交じりに言いました。その時の彼は、ただの気まぐれだったのかもしれません。しかし、少女の挑発的な態度に何か心が引っかかり、約束を守る決心をしたのです。

笑わせるための毎日の努力|感動する話の始まり

次の日から、江頭さんは仕事の合間を縫っては、公園に足を運ぶようになりました。そして、少女がいつもの場所に座っているのを見つけると、すぐさまネタを披露しました。しかし、どれだけ面白いことをしても、少女は一度も笑うことはありませんでした。むしろ、その冷たい表情に、江頭さんは何度も心が折れそうになりました。

それでも、彼は諦めずに毎日公園に通い続けました。笑わせたい一心で、いつもとは違うネタを考え、もっと工夫を凝らして笑顔を引き出そうとしましたが、少女の反応は変わらないままでした。彼女の無表情な顔は、次第に江頭さんの心に深く刻まれていきました。

少女の突然の不在|泣きたいほどの不安

そんな日々が一ヶ月ほど続いたある日、いつものように公園に向かった江頭さんは、少女の姿が見当たらないことに気付きました。毎日必ず公園に来ていた彼女が突然姿を消したのです。心配になった江頭さんは、次の日も、さらにその次の日も公園に通い続けましたが、少女は戻ってきませんでした。

一週間が過ぎ、ようやく少女が公園に現れました。その時の彼女は、以前よりも体調が悪そうで、顔色も優れない様子でした。それでも、江頭さんは笑顔を見せ、いつものように彼女にネタを披露しました。彼の必死な姿に、少女は初めて、ほんの少しだけ微笑んだのです。その瞬間、江頭さんは胸が締め付けられるような感動と、涙がこみ上げてきました。

最後の笑顔|泣ける話のクライマックス

日が暮れ、江頭さんは「また明日も来るから、ちゃんと待ってろよ」と声をかけましたが、少女は「勝手に来れば!」と冷たい言葉で返しました。しかし、その言葉の裏には、彼女なりの感謝の気持ちが込められていたのかもしれません。

その翌日、江頭さんは再び公園に向かいましたが、少女の姿はありませんでした。さらに何日も通い続けましたが、彼女は二度と公園には現れませんでした。少女が突然姿を消したことで、江頭さんの心には不安が広がり、いても立ってもいられなくなりました。

そこで彼は、病院を訪れる決心をしました。病院の看護師に少女のことを尋ねると、彼女が容態が悪化し、別の病院に移されていたことがわかりました。そしてその日、江頭さんは少女が昏睡状態に陥っていることを知りました。

少女が残した日記|感動する話の結末

看護師から手渡されたのは、少女が残した一冊の日記でした。日記には、病気と闘いながら過ごした日々が綴られており、その中には江頭さんに対する思いも記されていました。「毎日公園に来てくれる江頭さん。最初は全然面白くなかったけど、だんだん大好きになった」「私が笑わなかったのは、辛い日々が続いていただけ。でも、本当はいつもありがとうと思ってた」といった内容が書かれていました。

その最後のページには、「大好きな芸人、江頭」と、少女の最期の気持ちが記されていました。その言葉を目にした瞬間、江頭さんは涙が止まらなくなり、言葉も出ませんでした。自分が彼女にとって、どれほど大きな存在であったかを初めて知り、深い感動と悲しみに襲われたのです。

今でも続く約束|泣きたい話の結び

少女が亡くなってから十年が経ちましたが、江頭さんは今でも月に一度、あの公園を訪れています。彼はいつものように花を手向け、一人でネタを披露しています。それは少女との約束を守り続けるため、そして彼女が残した笑顔を忘れないための大切な儀式です。

公園での江頭さんの姿は、今では誰も知りません。しかし、彼にとってそれは、あの少女との大切な思い出であり、彼の心に深く刻まれた愛と感謝の証です。少女の命は尽きてしまったかもしれませんが、その笑顔と江頭さんとの絆は永遠に続いていくのです。

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