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おもいっきり泣ける話




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お姉ちゃんの遺骨

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私が小学3・4年で夏休みの話です!
今の今までマジで忘れてたんです!

小学校の夏休みとか遊びまくった覚えしかない!
私は近所の男子と夏休み中開放されていた学校の校庭で
午後1時から体力づくりの名のもと遊んでい
※午前中は勉強しろと先生が言って午前中は開放されてなかった!

大体午後5時くらいになって解散して
帰りの50円のアイスを商店街のとある店で買っていた!

それを食べるとこは
あまり使われていない駐車場だった!
5時を過ぎるとアイスを食べて雑談している汗だらけの小学生でいっぱいだった!

駐車場のすぐ隣にはバス停とバス停の後ろには公衆電話があった!

駐車場のすぐ隣にはバス停とバス停の後ろには公衆電話があった!

夏休みが始まってちょっと経ってからだったと思う!
いつも通り駐車場でみんなでアイスを食べていてバス停に目をやると
中学生ぐらいの女の子がいた!

目は大きい二重で髪は肩ぐらいの黒髪で背は150cmあるかないかだったと思う!
背は小さかったけど大人な感じがした!

その女の子は商店街にある時計台とバス停に書いてある時刻表をせわしく見ていた!
「誰かを待っちょるんかなぁ」とその時は思っただけだった!

次の日例の如くアイスを買いに行ったらまたあの女の子がいた!
相変わらず時計台とバス停の時刻表をせわしく見ていた!

「恋人でも待っちょるんかなぁ」

と他人事のように思ってその恋人とやらが気になった!
しかし家の門限が6時半までなのでそう長くは駐車場におれず
いつも6時ぐらいには駐車場でみんなは解散していた!

その女の子は6時になっても時計台とバス停をせわしく見ていた!

その次の日!
特別暑かった日だった!
友達が2人ぐらい倒れたと思う!

学校にいた事務の先生が
「今日は暑いけんさっさと帰りんさい」
と言って3時ぐらいに早くも家に帰されることになった!

友達数名とアイスを買いに行ったら
またバス停にあの女の子がいた!
時計台とバス停の時刻表をせわしく見ながら!

さすがに友達も女の子が気にかかり
「昨日もおらんやったっけ?(いなかったっけ?)」
と口にした!

「ああいたね」
と適当に返事をしたと思うが
この女の子は3時から待っていて私らが家に帰る6時以降もここにいるのか
と気付いてすごく衝撃的だった!

この暑い中
誰を待ってるんだろう!

ガキながらめちゃくちゃ気になっていた!

そしていつも通りの日が続いて
日曜日になった!

日曜日は学校が開放されていないのでみんなは家で遊ぶか暇を弄ぶぐらいだった!
私はあの女の子が何時からバス停にいるのだろうと
好奇心で11時ぐらいにバス停へ向かった!

さすがにこの時間にはあの女の子はいなかった!

しばらく待っていようと持ってきたお金でアイスは何個か買って
駐車場に座って待っていた!

1時になるかならないかぐらいだった思う!
あの女の子がやって来た!
その足どりはとても不安定で今にも転びそうなほど弱弱しかった!

またこの暑い中誰かを待つのか―…

とりあえずこんな暑い中外にいると気が狂いそうになるから
すぐに家に帰った!

そして4時ぐらいに夕立が来た!
結構激しい雨だった!

あの女の子は傘をもっていなかったことを思い出し
傘を持って行くことにした!

その女の子は濡れながらバス停にたっていた!

傘を渡すと
「あれさっきいた子?」
と聞いてきた!
とても高い声でそして弱弱しかった!

「さっきもいたけどいつもおるんで」
「あぁ…5時10分らへんになるとたくさん小学生が来るわね」
「学校の校庭で遊んでるんだ」
「そう!楽しそうね」
「楽しいよ」

しばらく沈黙が続いた!
雨が叩きつける音が響いていた!

「なぁ!ここにいっつもおるけど何しちょんの?(何をしているの?)」

しまった首を突っ込みすぎたかと
ガキながら冷や汗をかいた!

「ははは!お姉ちゃんはねある人を待ってるの」
「ある人って恋人とか?」
「秘密」

その女の子は大きな目を細くして微笑んだ!
ガキの私は少しドキッとした!

胸のドキドキがヤバくなってきたので
さっさと家に帰ろうとしたら女の子が傘を返そうとした!
明日返してくれればいいと返事をして急いで帰った!

次の日やはりその女の子はいた!
私を見つけると大きな目を細くして微笑みながら手を小さく振ってくれた!
周りの友達はザワザワとなっていたのでとても恥ずかしかった!

傘を受け取りアイスを食べながら友達からすごい質問攻めにあったが無視をした!

チラッとその女の子を見るとやはり時計台とバス停の時刻表をせわしく見ていた!

そしていつも通りの日がまた何日か経った!
女の子は私ら小学生に混じってじゃんけん遊びやしりとりとかいろんな遊びを一緒にした!

女の子の名前は千穂!
見たことも聞いたこともなかったから最近よくある「カタカナ名前」か何かだろうと思っていた!

ある日家に帰って夕食を食べていると
母さんがこんな愚痴をこぼした!

「うちの病院に困った人がいるのよー!病室を抜け出しては遅くに帰ってきてなぁ!
どこで何しちょる(している)か知らんばってんが(けど)
こげん暑い中外に出ちょったら責任とれんわぁ」

父さんは
「ボケてるのか?大変だな」
「違うわよ中学生の女の子でねぇ…!ガン(小児がんらしい)なんよ」
「へぇ!そりゃ困るなぁ」
「まぁ先生(医者)もこりゃ治らんっち言いよるけん
御両親も先生も好きにさせりゃいいとか言っちょるんよ」

母さんは病院の看護婦だった!
すぐ近くにある大きな病院だ!

千穂のことかなと胸にグサッときた!

次の日!
いつも通りお姉ちゃんはいた!

病院から抜け出す―…

母の愚痴が思い浮かんだ!
お姉ちゃんに間違いない!
細い腕細い脚弱そうな感じはいかにも病人らしかった!

その日母さんにお姉ちゃんのことを言ってみた!
お姉ちゃんに間違いなかった!


私はお姉ちゃんが治らない病気になってることがショックだった!
その日はずいぶん泣いたと思う!

「死ぬ」っていうのはガキながらよく分かっていた!
じいちゃんが交通事故で即死したからだ!

あの悲しみがじわじわと胸に湧いていた!

次の日
お姉ちゃんの姿はなかった!

「私が母さんにチクったから…?」

と心配になってアイスも買わずさっさと家に帰った!
当然母さんは帰ってきてないので病院に電話をかけてみた!

「今日お姉ちゃんおらんかったけどどしたん?」
「んー今日ねぇちょっとお姉ちゃんは体を悪くしちょるんよ」
「大丈夫なん?」
「大丈夫よ!でもお姉ちゃんと遊ぶのはもうやめたらどうなの?」
「なして」
「なしてって」

この日からお姉ちゃんが外に出てくることはなかった!

夏休みが終わるぐらいに
私はお姉ちゃんのお見舞いに行くことにした!

母に連れられ病室にいくととても痩せたお姉ちゃんがいた!
綺麗な黒髪も今は何となくつややかさが消えていた!

お姉ちゃんは私を見るなり
大きい目を細くして微笑んでくれた!

「珍しいお客さんね」
「体大丈夫?」
「大丈夫よ」

お姉ちゃんはベッドの机で何か手紙を書いていたのを
私から隠すように裏にした!

「友達もみんなお姉ちゃんが来なくなって寂しくなってさ」

ホントは私が一番寂しかった!

「そっか!ごめんね!お姉ちゃん体弱くて…」
「早く元気にならんといけんよ!待っちょる人がおるんやろ」
「そうね!元気にならんとね」

私とお姉ちゃんは一日中折り紙遊びやTVを見ながら過ごした!
次の日もその次の日も友達と遊ばずにお姉ちゃんと過ごした!

夏休みが終わると
平日の夕方か日曜日しかお姉ちゃんに会えなくなった!

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お姉ちゃんの親にも会った!
弟ができたみたいねと私を可愛がってくれた!
母さんも「お姉ちゃんができて良かったわねぇ」と言ってくれていた!

そんな日がずっと続くと思ってはいなかった!

冬か秋の終わりごろの土曜日だった思う!
私は学校が終わるなりすぐにお姉ちゃんに会いに行くのが日課だった!

いつも通りいろんな話をしていると
お姉ちゃんが口を押さえて白いベッドを真っ赤にした!
吐血した!

お姉ちゃんは真っ赤に染まった手でナースコールを押し
ベッドから転げ落ちた!

私はどうすればいいのか分からなかった!
お姉ちゃんお姉ちゃんと泣き叫んでいたと思う!

すぐに看護婦がやってきて色々と手当てをした!
私は病室を追い出された!

廊下からお姉ちゃんの血を吐く音
うなる音咳き込む音が聞こえて怖くなった私は泣きながら家に走って帰った!

家に帰るなり部屋にとじこもって泣きまくった!
夕飯も食べず泣いて泣いて泣きまくった!
泣き疲れていつの間にか寝ていた!

起きたのは4時20分(時計を見たのをめちゃくちゃ覚えている)!
まだ暗かったが玄関から物音が聞こえて起きた!
どうやら母さんらしく私の部屋に向かってくる足音が聞こえる!

母さんが私の部屋のドアを開けた!
私が起きているのに気づいて目をカッと開いた!

「OOちゃん死んじゃったわ…」

予期していた言葉だった!
とはいえ全身をつらぬく言葉であった!

私は返す言葉もなくただ押黙っていた!
母さんは静かにドアを閉めた!


お姉ちゃんはもういないんだ―…

次の日お姉ちゃんの通夜があった!
私は親戚でもなんでもないので行くことはできなかった!
葬式は母が私が風邪をひいたと嘘をついて葬式に行かせてくれた!

棺桶からお姉ちゃんの顔を見た!
ホント今にも起きそうな顔だった!
体を触ると現実を思い知らされることを知っていたので触ることはできなかった!

お姉ちゃんの前では泣かない!
決めていた!

お姉ちゃんを焼き骨壷にいれる時が来た!
お腹の部分の骨は全くなかった!
私は震える手でお姉ちゃんをいれた!
変わり果てたお姉ちゃんを正視することすらできなかった!

葬式が終わって数日後
お姉ちゃんの母親から封筒がきた!
なんでもお姉ちゃんが私に手紙を封筒の中に残してくれていたという!

ユウトくんへ!
これをよんでいるということは私はついに死んじゃったのね!
私が死んでどれくらいたったかな?

死ぬって言っても消えるわけじゃないんだよ!
ユウトくんから見えないだけで
お姉ちゃんはずっとユウトくんを見てるよ!

ほら今となりにいるでしょう!
いつもびょうしつに入ってくるときに言うように「千穂姉ちゃん」ってよんでください!
私はあれを聞くのを毎日楽しみにしていたよ!
今だって聞きたい!ユウトくん!

泣いてないよね?
元気あふれるユウトくんを見ていたいから!

おせわになりました!
楽しかった!
ありがとう!

10月11日
姉ちゃんより・・・!

それと
封筒の中に小さい封筒が一つあった!
手触りだがその封筒の仲には手紙が何枚かあった!
封筒には「私のたいせつなひとに書いたお手紙です!見つけたらわたしてください」と裏にあった!

お姉ちゃんからはその「たいせつなひと」の話を全く聞いていなかった!
当然私に預けたって無駄って分かっていただろう!
じゃぁ何で私に頼んだんだろと思った!

いつかは「たいせつなひと」について話すつもりだったのだろう!
それを話す前にあっけなくお姉ちゃんは死んでしまったが!

お姉ちゃんがあのバス停でずっと待っていたことを思い出した!
学校の帰りにバス停に止まってバスから降りてくる人の中で
お姉ちゃんと同じ中学生くらいの男子を探した!

いつでも会えていいように
ランドセルにはいつも封筒をいれていた!

あれから10数年!
結局「たいせつなひと」に会えることはなかった!

家の大掃除をしていたら
タンスの中からあの封筒が出てきて思い出した
お姉ちゃんとの不思議な夏の話でした!

その封筒はまだ開けていないよ!本当に悲しいからさ・・・。

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