弟が死んだ
まだ30歳だったよ 結婚して子供二人産まれて嫁さんとさあこれからって時だった
慌ただしく葬儀が進み親父が頑張ってた 俺は仕事もせずに実家に寄生してた
弟と話したのは正月が最後で説教されたよ しっかりしてくれよって
どうしようもなかった俺を口は悪いが本気で心配して仕事も探してくれた
三日でやめたらめちゃくちゃ言われた
スポンサーリンク
しばらくして弟の嫁から電話がかかってきた もらって欲しいものがあると
自転車だった 新品でロードバイク 弟が注文してたらしい
すごく楽しみにしててオーダー?だからもう返品もできないからもらってほしいと
俺は自転車なんか興味がなかったけど嫁が乗るには大きすぎてただ置いておくわけ
にもいかないから背格好が近い俺に是非乗って欲しいと嫁は言う。
きっと兄さんに乗ってもらってらあの人も喜ぶはずだから
自転車屋に取りに行くと店の人も驚いていた 初心者の俺になにからなにまで丁寧に教えてくれた
必要な物は弟さんが持ってるはずだからわからない事があればいつでも来てくださいと
自転車屋さんが『あんなに楽しみしてたのに』と少し泣いてました
今その自転車は実家の車庫にねむらせています
就職が決まるまで二ヶ月封印してましたがやっと決まり弟のロードに乗りました
弟の墓に乗っていく・・・
就職決まったよ
お前の息子が大きくなるまで大事にするからな
スポンサーリンク