大好きだけど馬鹿な妹

大好きだけど馬鹿な妹がいました。そんなかわいい妹の話です。

高校2年生だった俺は相変わらず妹の馬鹿さに嘆息していた。

ちなみにその時妹は14歳の中学二年生だった。

テストが帰って来ればいつも50点以下は当たり前。しかし、そんな馬鹿な妹だったが、顔はスゲェ可愛かった。

それでも、妹は頑張ったんだと思う。

1年前に父が他界、それを追ったのか半年前、母も自殺してしまった。

もう、俺と妹は号泣。わんわん泣いてしばらく学校に行けなかったのを覚えてる。

まあ、何とかばあちゃんの家にすんでたっけな。

それから妹の精神が不安定になったのも理由なのか、授業は全くついていけなかったそうだ。

だから、微弱ながら俺は妹に勉強を教えることにした。

毎日一時間の勉強。最初は妹も集中出来ていなかったが、日を重ねるうちにだんだんと集中していった。

そして、俺が勉強を教え始めて初めてのテスト。

正直、俺は不安だった。結果はそんなに早く出るわけじゃない……一番自分が痛感したことでもある。

しかし、妹は俺の予想の斜め上をいった。

帰ってきた結果。

国語77点

数学81点

理科69点

社会90点

英語57点

学年順位、112人中21位。

妹は家に帰ってくるなり、満面の笑みで俺にそれを報告してきた。

「やったよ、にいちゃん!」
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その言葉は今でも忘れられない。

それから二日後、妹は死んだ。

学校の帰り道、トラックにひき逃げされた。ニュースにはならなかったものの、大事故に変わりはなかった。

信じられない、俺は泣けなかった。

こんなことあり得ない、きっと夢だ。なんどもなんどもそう思った。

だけど、妹の葬式をし。妹の骨を見るうちにそれが事実だと認識し始めた。

もう、ばあちゃんも死んでしまって、俺には家族がいなくなった。

妹は、やっぱり最後まで馬鹿だった。

何で死んだんだよ……

本当はもっともっと一緒に居たかったよ・・・・・。
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遠距離恋愛でやっと結婚できました
交通事故で奥さんの記憶がなくなり・・・

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